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木村魚拓「三十男のピロートーク」
680円のお会計に千円札を手渡せば、お釣りは320円。しかし、返ってきた小銭が220円しかなかったとしても、いつものように「バカ野郎」とは怒鳴れない。「100円足りないよ」とも申告できない。お釣りが足りないことに何か理由があるような気がして、言葉を飲み込んでしまう繊細な私であるが、パチスロに向き合ったときと原稿の締め切りと、病院や注射から逃げることには関してはこれまで大胆な行動を取ってきた。


小学生時分、インフルエンザの予防接種となるとトイレに行くと告げて列から離れ、個室でトイレットペーパーを調達し、それを丸めたものを腕に当てながら教室に戻るといったことを繰り返していた。


「痛かったら手を挙げてください」、ドリルを手にした歯科医にそう言われ、もう無理無理と右手を勢いよく直角に挙げたとき、まだドリルは歯に触れておらず、歯科医を呆れさせたものだった。


今回は検査結果を聞きにいくだけ。痛いことはないと知りつつも、もう20年近くオーバーホールしていないだけに、いけない何かがわかってしまうような気がして、身体的にではなく精神的に痛い目に遭うような気がして、かれこれ2週間ほど逃げていたが、妙な疑惑を残したままではおちおちセックスもできないからと、意を決して先日検査を受けた病院に飛び込んだ。


「どうしてすぐ来なかったの」


先日とは裏腹な、低いトーンの第一声にビクッとした。もしや早急な治療を要する病気でも見つかったのかと、身構えながら次の言葉を待った。


「何にもないね。なーんにも出てこなかったよ。尿検査、血液検査ともに正常。梅毒もマイナス。湿疹の原因は精神的なものかもね。ストレスとか。ただ、悪玉コレステロールの値が若干高いから、脂っこいものを摂り過ぎないようにね」


…セーフ。梅毒もマイナスって、本当に性病を疑ってやがったのかと一瞬カチンときたが、今はそれも笑って許せる。よーし、この開放感に任せ、釘がガッチガチのビッグシューターでも思いっ切り打ち倒してやろうと、心弾ませながら受け付けでお会計を済ませたところ、お釣りが100円足りない。「ふん、ケチケチするんじゃないよ。病気でお釣りをきっちりもらうのと、健康で100円足りないの、アンタはどっちがいいんだい?」、足りないお釣りにはそんな意味が含まれているような気がして、やはり何も言えぬ繊細な男に戻ってしまう私なのでした。



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